*私が最近見た映画ベスト
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「ハピネス」
余命宣告7日間の女子高生と彼氏のお話に、やれやれまたお泣かせ映画と
とても見る気はなかったが、名作「月とキャベツ」、「はつ恋」、「深呼吸の必要」の
篠原哲雄監督がメガホンとなれば、そら見るしかない。
それがそれが、ベタな出来レースではなく、隙のない脚本、演出に釘付けになる。
限られた時間にひとつ、ひとつの何げない愛のやさしい表現。
真綿に包まれたかのような二人の日々が、とてもとても愛おしく、涙する。
二人の演技も手放しで素晴らしい。
レビュー評価は総じて低いが、私にはとてもとても酔いしれた・・・。
大好きな映画となった。
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*私が最近見た映画ベスト
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「ミッシング」
新たな映画界を引っ張る大好きな監督、「空白」の吉田恵輔最新作。
石原さとみが熱望して、この役に取り組んだという問題作である。
失踪した娘を探す母親のやり場の無い怒りと現代のメディア、SNSの有り様を描く。
とことん細かいデティール、脚本、丁寧な画とも監督の真骨頂、
見る側をもういいよぐらいに追い込んでくる。彼の演出は群を抜いている。
これに見事に応えた石原さとみの渾身の演技も見逃せない。
ヘビーな映画であるが、見応えある作品に仕上がっている。
素晴らしい!
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*私が最近見た映画ベスト
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「青春18×2 君へと続く道」
最も大好きな監督のひとり、藤井道人監督最新作。
18年前の台湾と現在の日本を舞台に台湾のバイトで知り合った青年と
日本の女性との過去の想い出を散りばめながら、
去った彼女の地に赴くロードムービー。
中盤、台湾で二人が映画館で岩井俊二の名作「ラブレター」を見るシーンがあるが、
まさに、この「ラブレター」をリスペクトし、この映画の機軸になっている。
原作者と監督の志がひとつになったエモーショナルなラブストーリーに
仕上がっている。
作品的には手放しではないが、とてもやわらかい気持ちになった・・・。
ありがとう、藤井道人、ありがとう、岩井俊二。
日本と台湾との合作映画、
映画をとても愛してるという両国の制作陣の熱意に感謝申し上げます。
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*私が最近見た映画ベスト
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「落下の解剖学」
手放しで素晴らしい!
カンヌ映画祭や、本年度アカデミー賞5部門ノミネートも頷けます。
お話は雪山の山荘で男の転落死、その妻に殺人の嫌疑がかかるが、
自殺と言い張る妻、唯一の証人は11歳の息子。
裁判を通して真実をあぶりだしていく・・・。
となると、ミステリー映画の様相だが、そうではない。人間の絢が描かれる。
冒頭、30秒で、この映画はいいと確信するほど、監督の力量、感性、半端ない。
2時間30分、怒涛の人間模様。これぞアート映画の真髄です。
パーフェクト、特筆の素晴らしさ。
ちなみにレビュー評価はミステリーに期待したのか低い。
くれぐれも娯楽作ではないので、覚悟して見てネ。
*都会の映画館のお客はお行儀がいい。全編通じて物音一切なし。
鑑賞後の余韻がたまらくいい。あ~、とっても、幸せな一日。
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*私が最近見た映画ベスト
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「リボルバー・リリー」
はい、最高です!
レビュー評価に話が粗い、突っ込みどころ多いとか・・・、そんなのどうでもいい、
”美しき女暗殺者”なんだもん、細かいことはヤボです。
綾瀬はるかのいつものごとく、アクションは切れ味がいいし、イキイキしてる。
そして、綺麗、言うことなし。
内容もただのアクション映画にとどまらず、「GO」、「世界の中心で愛を叫ぶ」の
あの行定勲監督だけに大味にならず、きちっと映画に仕上げてくれています。
ワンカット、ワンカット、丁寧な撮影にも頭が下がります。
アクションシーンも工夫たっぷり、醍醐味、大正版?「ジョンウィック」を彷彿。
そして制作陣の意気込みもこだわりもヒシヒシ伝わり、胸が熱くなります。
綾瀬はるかの持ち味、脇役の俳優たちも、みんないい味出しています。
ラストも気持ちいい。
そこまでの高評価か?と言われそうですが、いいものはいい、大好きです。
行定勲監督、綾瀬はるか他、出演人、制作スタッフ、ありがとう。
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*私が最近見た映画ベスト
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「一月の声に喜びを刻め」
傑作「幼な子われらに生まれ」の三島有紀子監督が自身が体験した性被害を
モチーフに、自主制作もいとわない覚悟で望んだ渾身作。
エピソードは三章として、三者三様の人間模様が描かれる。
1話はカールセル麻記主演、2話は哀川翔主演、(みな演技いい)、
それぞれの家族への向き合い方を、そして3話は、
監督が幼少受けた性被害の心の痛みを前田敦子が演じる。
特に3話は重い、ヘビー。
それを監督のたってのご指名に体当たり挑んだ前田敦子の演技は目を見張る。
このテーマ、この作り方は、たぶん賛否は2分するだろう・・・。
いかしかたがないだろうが、
今まで苦悩した監督のも持ってきようのない怒り、絶望、嘆き、
この作品に渾身の力で気力で臨んだということに鬼気迫るものがる。
私は拍手を送りたい。
(余談だが、私は過去に、仕事で親身になっていたバイトの女子高生に
身に降りかかった性被害を告白されたことがある。
彼女曰く、”車に連れこまれ、3人の男にレイプされた”、と、
まさに性犯罪である。この衝撃の告白は40年経っても脳裏から離れない。
あまりの告白に、その時、彼女にどう対応したのか定かではない・・・。
誰にも打ち明けらず秘めた苦しみを私に吐き出したかったのだろう・・・、
もうとう、慰めの言葉などかけようもない。
あれから彼女は、どう生きているのか・・・。
昨今の週刊誌等の性被害報道に、
何で今更とか、その時、警察に言わなかったのか?の声も上がるが、
私は、彼女たちの切なる思いに、とてもとても痛みを感じる。
やはり、性被害を直接聞いた当事者には、この映画も含め、
今でも今でも、とてもとても心が痛い。
どうか、あの彼女が今は平穏な日々を送っているのを願うばかり・・・。)
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*私が最近見た映画ベスト
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「夜明けのすべて」
岸井ゆきの主演「ケイコ耳を澄ませて」で一躍、名を馳せた三宅唱監督最新作。
PMS(月経前症候群)月に1度イライラが抑えられない女性と
パニック障害で苦悩する同僚の男性との心の交流を描く。
総じて、三宅監督流の淡々とさり気ない演出が心地いい(素晴らしい)が、
これが1時間半を超えると、物語の起伏のない展開な上、肝心のラスト30分、
ただただ凡庸なシーンの羅列にとても嫌気が差してきた・・・。
間違いなく、映画マニア受け、監督の”どうです、業界人、いいでしょう”が鼻につく・・・。
世界観も好き、嫌いでもない、よく出来ているのわかる、わかるが・・・、
もう少し、観客に寄り添って欲しかった、あえて、あえて・・・です。
でも、おススメします。 |
私が最近見た映画ベスト
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「哀れなるものたち」
私の好きな女優、エマ・ストーンのお出まし。
予備知識一切なし鑑賞。女性の壮大なる史劇と思いきや、出鼻から、
改造人間にされたエマの登場。おいおい・・・、何コレ?もうついていけないヨ。
性に目覚めたエマ、オナニーはするわ、真っ裸で乳房丸出し、腰ふりふり、
SEXシーンに我が目を疑う。そんなエマ、見たくない・・・。
挙句は、いいかげんな男と駆け落ちの末、落ちぶれ、売春宿に身をやつす。
そこでいろんな男に抱かれまくる。もう勘弁して。
はい、鑑賞挫折、出ようと思ったが、我慢、我慢。
で、
不思議なことにそこから話に何故か、どんどん引きこまれていく・・・。
豪華セット、衣装など、エマの凄さが増していくばかり。まさにエマの独断場。
2時間20分、見終われば、淫靡で幻想的な世界にはまりました。
好きです。
ただし、映画好きでないとつらいですヨ。まさに芸術映画です。
人間の業、価値観、たくさんセリフに散りばめれてメッセージ性もあり。
アカデミー賞11部門ノミネートなるだけの作品です。
ハリウッド、商業主義の映画があふれている中で、志を持った骨のある取り組みに
制作陣の映画魂、頭が下がります。ありがとうございます。
そして、エマ・ストーン、やっぱいいです。 |
*私が最近見た映画ベスト
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「カラオケ行こ!」
はい、傑作です!
ヤクザが合唱部の中学男子からカラオケの指南を受ける物語。
なんか、ありがちに陥りそうですが、そうではなかった。
選曲良し、セリフよし、間合いよし、これを料理したのは「リンダリンダリンダ」、
「天然コケッコー」などでおなじみ名匠・山下敦弘監督、腕が冴えわたる。
これは快作です。とてもとても映画してます。
友情、家族愛、 人間愛、愛がいっぱい詰ってあふれています。
素晴らしい! |
*私が最近見た映画ベスト
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「PERFECT DAYS」
本年度カンヌ映画で役所広司が男優賞に輝いた作品。
監督は「パリ、テキサス」、「ベルリン・天使の詩」のドイツの名匠ビム・ベンダース。
東京、渋谷のトイレを舞台にトイレの清掃員の男の日々のゆらぎを描く。
役所のセリフはほぼない。ただただ寡黙に仕事をこなし、仕事帰りの銭湯、
安い飲み屋、古本屋の文庫本、車で聴く年代物の音楽カセット、たまに場末のバー。
古いアパートでの毎夜の読書と・・・、大きな事件は起こらない。
淡々とした、その日々の繰り返しの中で、彼の選択した人生を見つめる。
人の幸せのものさしを計る、人生観を問いかける 1作。
娯楽作ではない、映画好きじゃないと退屈かもしれない。
ただし、東京のアートなトイレの数々には驚かされますヨ。
それにしても、男優賞に輝いただけに役所の演技はまさに自然体、これぞアクター。
本当に年末に、今年を締めくくる映画に出会えたシアワセ。ありがとう。
2023年度、NO.1の映画です!
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*私が最近見た映画ベスト
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「オマージュ」
ヒット作に恵まれない女性監督。
頼まれた仕事は60年代韓国映画初の女性監督の映画修復作業。
気乗りはしなかったが、あの時代の背景、生き様、過酷な状況を
共有した人達を通じて、自分の人生を見つめ直す人間ドラマ。
内容は結構、シュールか、だから総じて、レビュー評価は何となく悪い。
でも、映画をとても愛する人にはたまらなく、いとおしく、心を揺さぶらました。
とっても、大好きです。 |
*私が最近見た映画ベスト
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「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」
女子高生がタイムスリップしたら、太平洋戦争終戦間近の時代へ。
そこで出会った特攻隊員を通して、戦争の悲劇を問う。
レビュー評価に甘口とか書かれているが、私はそう思わない。
この御時世にあえて、若干、甘口でもいい。
初日平日なのに、テーマがテーマだけにお客も年配者ばかりと思いきや、
意外にも、午後3時の為か、女子高生がほとんどにはビックリ。
コミックの映画化、ラブストーリーという切り口もあるが、敷居の低い導入部で、
このようなテーマを見てくれるだけでもいい。
そして出演者たちの演技がきちんと歴史を理解してセリフに魂が入っているのが
素晴らしい。また エンターティメント(甘口)にしながらも、
脚本、演出(この監督、上手い)の技が光る1作です。
とにかく、JKに囲まれて、ラストは涙と鼻水でぐちゃぐちゃになりました。
是非、みなさん、御覧下さい。いい映画です。 |
*私が最近見た映画ベスト
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「OUTアウト」
「ドロップ」の品川ヒロシ監督、久々のヤンキー映画。
前半は品川の脚本だけに笑いをとりたいがため、少々、丁々発止会話シーンが
長過ぎるのが難だが、後半はあれよあれよと怒涛の展開、アクションもキレキレ、
「東京リベンジャーズ」よりも迫力あり。ほとんど無名俳優なれど、よく頑張りました。
品川監督、うまくまとめました、上手いじゃないか。面白い! |
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「正欲」
元息苦しく生きる、普通ではいられない。私はここにいていいのだろうか?
自己否定を背負った人たちの葛藤が描かれる。
まさしくこの映画、賛否は別れるだろう・・・。
ある意味、これを感じるか、感じないか、感性次第です。
もがいて、あがいて、それでも、生きる、生きる意味を探しあぐねる・・・。
是非、心の闇を抱えた方は、ご覧下さい。
私はハマりました。
監督、「前科者」、「あ々、荒野」の岸義幸ならでは。
さらに出演者、稲垣吾郎、ガッキー、磯村勇斗たちがみな演技がいい! |
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「愛にイナズマ」
シ私が大好きな映画「町田くんの世界」の石井裕也監督、「月」を含め、
精力的に創作活動、このバイタリティ、凄いです。
本作は、映画監督デビュー控えての新人女性監督が、業界の闇に翻弄され、
ジレンマに陥りつつ、家族との絆を紡いでいく物語。
こう書くと、あるあるな感じなのだが、
そこは石井裕也監督、前半は長い間合いの映画通のための進行にだれるが、
後半のまとめ方は、職人技の成せる業。ツボは心得ている。
私は好きです。 |
*私が最近見た映画ベスト
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「月」
私が大好きな監督のひとり、「船を編む」の石井裕也監督の最新作。
実際に起きた障害者殺傷事件をモチーフにした、かなり突っ込んだ問題作。
施設の描かれ方や内容がかなりデフォルメされ過ぎだが、
製作者サイド、主演者たちの相当の覚悟をもって臨んでいるのは伝わってくる。
後半の宮沢えりと磯村勇斗との対峙シーンは見応え十分、
人間の偽善をあぶりだしていく・・・。ここは1番の見所です。
ただ、全体的に、登場人物がみな、異常の淵に立ちすぎた視点だろう。
もっと平凡な、身近なことからの狂気性に趣を置いたら良かったと思うが・・・。
でも、とにかく、是非、みなさんも見て欲しい。 |
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「キリエのうた」
元BiSHのアイナ・ジ・エンドを主役に岩井俊二監督、久々の快作。
アイナの歌声、自然な演技、彼女の魂と岩井の見事なコレボレーション。
およそ3時間の長尺なれど、全然、見飽きない、ただし、つまめるシーンも多い。
そこは差し引いても、岩井俊二の原点回帰を思わせる出来栄え。
やっぱり、岩井俊二は凄いな~! |
*私が最近見た映画ベスト
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「ジョン・ウィック:コンセクエンス」
シリーズ第4弾。
1作目はマイナー作品ながら、予想外な世界的ヒット、キアヌも「マトリックス」から
やっと低迷期を脱出した、内容も明快、ガンアクションが売り。
本作は潤沢な製作費ということで、世界的ロケーションもセットも派手、
手始めのアクションも15分位も続く、ドニー・イェン、真田広之もからみ、
早くもクライマックスか?思うほど。
それでも、それを超えるアクションを期待通り、ほりこんでくる。
凱旋門前の道路でのカーアクション+ガンアクションは凄まじく、これは見物。
また何部屋もめぐるアクションも天井無しの真上からの
俯瞰長回しワンカット撮影も新鮮、とどめは、200段に及ぶ長い階段での
大勢の殺し屋とのガンアクション、キアヌも含め、
階段、落ちる、落ちる、スタントマンもみな命がけ。いやはや・・・。
これぞアクション映画のお手本、ただ難をいえば、
監督が製作を兼ねているので編集権もあり、ドラマがやたらと長い、
だから上映時間も2時間49分。バッサリ、2時間したら、もっと評判も、
さらに上がったのに・・・。とにかく、アクション映画好きなら必見です! |
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「キャロル・オブザ・ベル」
第二次世界大戦最中、ウクライナ、ポーランド、ユダヤの家族たちが引き裂かれ、
唯一、残ったウクライナの女性がそれぞれの子供たちを守り抜ぬことする物語。
本作は2021年の作品、ウクライナ戦争前に出来たもの。
戦争の理不尽さ、過酷さ、あらがえない現実を、作りも大上段から構えてはいない、
とても見やすく、上映時間2時間。とても引き付けられた。
是非、御覧ください。 |
*私が最近見た映画ベスト
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「遠いところ」
沖縄ゴザを舞台に17歳の母親が、働かないDV夫のため、キャバクラで働いたり
挙句は奈落の底にウリにまで堕ちていってしまう社会から取り残された女性のドラマ。
全編、いいことは何もない、その日その日の過酷な日常だけをひたすら描く。
問題定義したいテーマかもしれないが、登場人物のそこに至るまでの内面、
心情などは、ほとんど描かれていないから、ドラマ性がとぼしい。
こんな男と何故、離婚しない、その訳も描かれない、周りもすすめない、
そこが肝心なのに、ただただ金がない、殴られる、体を売る、最後はバッドエンド。
救いは何もない。
沖縄にはこのような現実があります風ドキュメントのみで終結。と、書いたが、
ただし、作り手の意気込みは痛いほどわかる。それは凄い。
そして、初主演の花瀬琴音の魂のこもった見事な演技、
体を張った根性は見上げたものだ。素晴らしい!拍手を送りたい。 |
*私が最近見た映画ベスト
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「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」
見納めの最終作。
ハリソン・フォード80歳、大丈夫かと案じたが、あなどるなかれ、
期待値を上回る出来栄えに満足。本作はスピルバーグが監督ではないが、
シリーズ同様、ジョージ・ルーカスと共に強力タッグ製作が心強い。
アクションの入れ込み方とテンポもいい、2時間半は少々長いが、退屈はしない。
昨今、「アベンジャーズ」などのCG多用のSFモノばかりでゲンナリしていたが、
ノスタルジックでアナログな感じ、これぞ、
ハリウッド王道娯楽作を見たぞ!の思い。
賛否はあろうが、この王道に酔いしれた世代にはたまらんです。
音楽もおなじみ、ジョン・ウィリアムズとくるから、エンドロール見ながら
なんか、ラストは目頭が熱くなってきた。あ~映画好きで良かったな~を痛感。
娯楽作なら「ポセイドンアドベンチャー」、「タワリーングインフェルノ」、
「ダーティハリー」等で育った者には、やっぱ、オーソドックスなものがいい!
あ~面白かった!そして、シアワセをしみじみ・・・。ハリソン、ありがとう。 |
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「ウーマン・トーキング」
実話を基に、閉ざされた村での幾多の性被害から立ち上がる女性たちの物語。
村の男たちの仕業に業を煮やし、男たちが不在の間に、女性たちが集り、
ここを出るか、居残るか、選択を選ぶ話し合いを描く。
全体に宗教的なやりとりに終始するので、
見ているほうも疲れるが、どんどん話が進むうち、
意を決した女性たちの熱い行動に引き込まれていく・・・。
娯楽作ではないから、一般ウケはしないが、
”映画の魂”を垣間見る作である。映画好きには、胸打つ1作! |
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「青春ブタ野郎は
おでかけシスターの夢は見ない」
何故か直感で、このタイトルに魅かれた。
シリーズものと知らず、初見。でも当たりです。
(レビュー評価を見ると初見は厳しいとあるが、いやいや、よくわかりますヨ。)
引きこもりの妹、兄を慕い、同じ高校の受験に揺れ動く思春期を淡々と・・・。
これがいいんですヨ。画も凝ってますではなく、展開も人の痛みに寄り添う、見守る、
昨今の”新海誠風”な、どうだどうだの押し付けも無く、やさしさに包まれています。
このようなアニメが評価されているのは、救いです。見て良かった。 |
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「アシスタント」
映画業界にはびこる実態を赤裸々に実話に基づいて。
Metoo運動に起因する、この裏事情を1時間半、淡々と、BGMも一切なし、
アシスタント女性の1日が描かれる。不条理で酷な世界。ただただ耐えるのみを
強いられる。レビュー評価は低いが、私はハマった。女優の上手さ、
奇をてらわない演出、見事である。
やはり、ミニシアター系のこのような映画が私は好きだ。 |
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「渇水」
水道局に勤める男性は水道料滞納者への水差し止め係り、
いろいろな滞納者の言い訳、言い逃れ、現実の姿がそこにある。
そこで出会ったシングルマザーに育児放棄された姉妹との交流を軸に、
自らの人生も見つめる物語。
お話は淡々と”映画してます”を一切、排除してすすむ。
そこがとても好感が持てる。レビュー評価は低いが、私は好きな映画。
「怪獣」、「波紋」よりも好き。いい映画と思います。 |
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「TARター」
名門オーケストラの女性指揮者が権力のまま、平然といきなりクビきり、
パワハラ、音楽のためなら、ためらいもない、非情な行動を巻き起こす、
その成れの果ては・・・。
主演ケイト・ブランシェットの独断場の演技に唸る。
上映時間2時間半、冒頭から1時間、クラシック好きしかわからない会話のみ、
たぶん、ここで、みな折れてしまう・・・、
ただし、ここから、引き込まれていく・・・。
もう、芸術映画です。
監督の腕もさることながら、映画の狂気をまざまざ見せ付けられた。
はい、凄いです。本作がアカデミー作品賞でもいい。 |
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「高速道路家族」
久々に、好きな韓国映画、やっと見た。
高速道路のサービスエリアを転々とホームレス生活をする9歳児と5歳児を抱えた
家族の行き着く先は・・・。コピーに”スリラー”とうたってあるが、そうではない。
寛容で弱者や人の痛みに寄り添える社会を願う物語、韓国映画ならではの世界観で、
ぐいぐい引き込まれる。監督の力量もある。いい映画です。 |
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「ロストケア」
献身的で熱心な介護士が、何故に担当した介護者を42人も殺したのか?彼は、「救済」のためにと言う、それと対峙する検事との事件の真相に迫る。まさに高齢化社会の介護の過酷さ、問題点を見事な切り口で社会提議する。今まさに、是非、見てもらいたい作品。こころ揺さぶられる仕上がりだ。さらに松山ケンイチ、長澤まさみの白熱の演技も鬼気迫るものがある。オススメです。 |
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「オットーという男」
私久々にトム・ハンクス主演映画を見る。
愛すべき妻を亡くし、生きがいを失った男。とても無愛想で口うるさく、近所でも嫌われ者。だが、引っ越してきた隣人家族をきっかけに、希望を見出していく物語。とても定番なお話だから、何?という出来事も派手さもないが、妻との出会いを含め、回想シーンや、隣人移民からの愛ある思いやりなど、人は、ちゃんと生きて、きちんと人と真摯に向き合えば、いいことも、悪いことも分かち合い、助け合い、生きる意味に向き合える・・・。
こちらも爺になったから、この映画にわかっていても、ホロリと来る。泣かされる。
50才以上はオススメな映画です。さあ、人生を見つめ直して、今の自分を見て。 |
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「BLUE GIANT」
ジャズアニメということで敬遠しそうだったが、音楽への情熱を描いているというで。
いや~、見てよかった。そうジャズに触れていなくても、熱いものがほとばしる。
何かを目指す、何かを作り上げるという私の大好きなこと。
つい、涙がこみあげてきた。素敵な音楽映画です。必見です。 |
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「生きててごめんなさい」
私の好きな監督のひとり、藤井道人が企画、プロデュース。
小説家をめざしながら出版社で働く青年と落ちこぼれ女性がひょんなことから同棲。
要領も悪く、上手く生きられない、それで泣き虫な女、
それにイライラしながらも見離さない男、だがあるきっかけで女が他者に認められていくことへの男の嫉妬心から、二人には隙間風が吹いていく・・・。よくある展開なれども、どんどん見続けていくと、どんどん深くはまりこんでしまう・・・。
物を作る側の気持ちが痛いほどわかるし、男女のザラついた雰囲気もいい。
落としどころも整理され、ラストもたまらいほど上手い。傑作です!大好きです! |
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「神は見返りを求める」
「空白」、「麦子さんと」など、私が大好きな監督のひとり、吉田恵輔作品。
その上、ムロツヨシ、岸井ゆきのの最強タッグとくるからたまらない。
イベント会社の社員と売れないユーチューバーが織り成す物語、
今、置かれているユーチューバーの現状が皮肉たっぷりに描かれており、
人の心の変貌を苦味あふれるタッチは監督の真骨頂。
やはり、この監督、はずさない!視点も鋭い。そして上手い、上手すぎる! |
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「あつい胸さわぎ」
母子家庭の女子大生が乳がんの疑いから始まる心模様を描く。
なんだ、ありがちな病気テーマか?と、お思いでしょうが、
それがそれが、、淡々としたホームドラマ風味で終わるかと思いきや、ラストあたりは、ぎゅっと、締めくくってくれました。長い前フリの後に、最後に見事な人間讃歌!とてもいい映画です。 |
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「イニシェリン島の精霊」
長年の友人にある日を堺に急に絶縁を言い渡された男が退屈な孤島の暮らしの中で、自分自身を見つめ直すが・・・やがて、心の歯車が空輪まりしていく様を哲学的要素を含んで、島という小さな世界とこの世で起きてるいさかいを比喩して描く。メッセージ性の高い、高尚な映画。映画好きではないと、何コレ?でしょうが、私は、ハマった。 |
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「SHE SAIDその名を暴け」
ハリウッドの大物プロデュサーの性的暴力を暴く実話。
この事件によって、世界のMeToo運動のきっかけに。
ニューヨークタイムズの二人の女性記者の執念の取材を中心に巧みな構成力、編集で
ぐいぐい見せてくれる。2時間10分、飽きさせない脚本、恐れ入る。
久々に、ハリウッド映画の実話モノの底力、やはり凄い。力作です!オススメです! |
*私が最近見た映画ベスト
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「メタモルフォーゼの縁側」
老婦人が本屋で表紙に魅かれて買った本を開けたらボーイズラブ、BL漫画。
それをきっかけに本屋の高校生店員との交流を描く。
とてもすがすがしくほほえましいおばちゃんと孫ほどの友達づきあいを
それぞれの立場を軽妙に、また苦悩を・・・淡々と描いてくれる、
その演出は監督の腕は、お見事というしかないほど完璧に近い。
芦田愛菜、宮本信子、最高のコンビ。二人を通じて、生きる楽しみを
楽しく、さりげなく教えてくれる、縁側の移ろい、会話に魅了されました。
私どんぴしゃに、ハマりました。大好きです。この映画。素晴らしい! |
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「恋は光」
ずばり、面白いぞ!
理論派な青年を取り巻く、恋を定義するファタンジー。コミックの映画化。
もう、これだけで、勘弁してのくだりが、それがそれが、とんでもなく、
いやはや、どんどん引き込まれてしまう・・・。
出演者達がみんないい(特に西野七瀬がいい)、
ここまで面白い映画を見せられるとは・・・。
恋をテーマにした映画では、久々の快作!手放しでいい!
めっちゃハマりました、年甲斐も無く。とても大好きな映画です!マル! |
*私が最近見た映画ベスト
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「ガラスの孤城」
あまりの評価の高さに駆け込み見る。
お話は不登校の7人男女達が、迷い込んだ鏡のお城で繰り広げられる
願いを叶うためのファンタジー。子供っぽい展開もどんどん話が進むうち、
いろいろな謎が解けていく・・・。
そうか、こうくるか、私も最後にはとうとう涙してしまいました・・・。
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*私が最近見た映画ベスト
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「やがて海へと届く」
私の好きな映画「四月の永い夢」の中川龍太郎監督の最新作。
女性二人の複雑な心情を前半淡々と後半にはミステリアスに・・・。
この世界観はとても好きで、見入ってしまう。とても心地いい展開。
ただ主となるテーマの良さを、いかしきれず、あいまいに3.11震災をからめたりして、
少々、焦点がぼやけてしまった。惜しい。
それでも、岸井ゆきの演技は群を抜き、浜辺美波(とても可愛い)が共演という意外さも
うまく、とけこんでいた。このあたりの演出の上手さは監督の腕が光る。
久々にアート系映画の押し付けの無い作風に満足、酔いしれました。
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*私が最近見た映画ベスト
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「ある男」
愛する夫が不慮の事故で亡くなったが、その男の正体はまったくの別人だった・・・。
その謎解きの前半は、ミステリーにふさわしい出来栄え、描写も上手く、魅入られるが、
後半は正体が明らかになるにつれ、ヒューマンドラマに変貌していく。このあたりから、
差別をテーマとしてのものに・・・、もう少しミステリーで引っ張って欲しかったが・・・。
ラストは意味深でいい終わり方。確かに丁寧な作品作りを心掛けたのは伝わってくる。
映画の重厚感にあふれる。 |
*私が最近見た映画ベスト
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「土を食らう十二カ月」
雪深い山奥に住む作家と、編集者との四季折々を通じてドキュメンタリータッチで描かれる。この食べ物がたまらない。自生の四季の食材をいかしての、私が小学生時代に食した素朴なものばかり、漬物、ミソ汁、家の梅等々、後、炊きたてご飯があればそれでいい。春夏秋冬をかけての撮影。過去に作風が橋本愛子の「リトル・フォレスト」も良かったが、
これは年寄り版というか、枯れた感じと、作家というティストがいい。
展開に無理スジも気にはならない。
淡々と老作家役の沢田研二、編集者の松たか子のコンビネーションもしっくりしてる。
特に驚くほどのあのジュリーが演技の自然体は安らぐほど上手い。
そして、メインのただただ四季の食事に”それ、食べたいよ~・・・”と生唾。
ラストは己の死生観で、幕を閉じる。
見方によれば退屈という方もおろうが、私は、ハマり過ぎにハマった。
若いときは味わえないもの。年をとるものもオツなもの。
あ~生きてきて良かった。
後、エンディング曲を沢田が歌っているが、声量は昔と変わらない上手さ。
年をとっても、尖がって、キャンセル事件も物議をかもしたが、
この役ははまり役。本当に気持ちのいい映画に出会えて感謝。
シ・ア・ワ・セ。ありがとう。 |
*私が最近見た映画ベスト
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「マイ・ブロークン・マリコ」
私の大好きなタナダ・ユキ監督作品。
物語は、幼馴染の女友達が自殺をした。父親から幼少の時から虐待を受けていても
常に彼女に寄り添い時間を共にしてきたが、大人になって、突然、亡くなった・・・。
永野芽衣演じるOLは、彼女の家に乗り込み遺骨を奪い去り、遺骨と胸に彼女が行きたかったある岬へと向かうロードムービー。
彼女との思い出の回想、幻想などを散りばめながら、それぞれの心模様を切なくも
はかなくも、心の暴走の世界へと導かれる。
まさに、タナダ・ユキ監督の世界観の真骨頂!
永野芽衣は煙草は吸いまくるわ、暴れるわ、暴言は吐くわ、まさに、この映画で一皮向けた演技に魅了される。本物の”女優”になったとも言える。
それを引き出したタナダ・ユキ監督。
タナダ・ユキ、いいね~・・・。だから全作品を見てきた。
この世界観は彼女だけしか描けない。 |

























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